2010年03月06日

AIR U-TURN

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ROCKSHOXエアーUターンの修理を行いました。エアースプリングのトラブルで最も多いのが、ポジティブエアーがネガティブ側に漏れてしまうもの。

「お客さん、これ壊れていますよ」
「え〜そうなんですか!そういや何かおかしいような気がしてたんですけどね。そんなもんかと思っていましたよ。」
「そんなもんじゃありませんよ!」

確かにエアー漏れといっても外部に出てしまうわけではないので、「あれ、動きがおかしいな?それにストローク量が少ないかな」といった症状のため、つい「こんなもんかな?」になりがちです。疑問に思ったら専門店でみてもらいましょう。

そもそも、エアースプリングの高い圧力を保持する役割を担っているのが細いオーリングです。それがごく少量の潤滑油のみで常時激しくチャンバー内でこすれているのですから、当然使用にともない磨耗消耗劣化します。エアーサスの宿命でもありますが、逆にいうと常時オイルで満たされたダンパー側より、エアーチャンバー内のルブリケーション保持がサスメンテの要といえます。

で、このエアーUターンの機構ですが、ノブを回すとアッパーピストンがついたロッドがグルグル回ります。ロッドは丸棒ではなくフランジがついており、それが白いプラスチックを回します。それの外側にはネジが切ってあり、トップキャップの内側のネジとかみあって伸び縮みするわけです。なんかよく説明できませんが、要するにピストン位置が移動するのではなく、チャンバー室の方が移動するといったイメージでしょうか。それでもわからない?ストロークを縮めるとエアー室は小さくなって内圧がその分上がってしまいますよね。そうならないようになっているのです。

他社でもこのようにエアー室の容積を可変させる機構をもつサスがありますが、どうもトラブルにつながりやすいようです。通常タイプはメインピストンシールのみが可動し、上下の隔壁は動かずしっかりシールするだけの役割なのに対し、トラベル可変タイプはその隔壁が動く、もしくは別のブラダーに退避させて圧力を一定に保つので、どうしてもシールするところがそのぶん多くなります。走行中のサスは実は曲がったりねじれたりしながらストロークしているので、そのような複雑な機構はどうしてもリスクが多くなるとともに、何しろ相手がオイルではなく高圧のエアーなのでしっかりとした部品精度も必要ととなります。

さて、エアーサス機構うんぬんでなくサスそのものの話です。数あるサスメーカーでもこのROCKSHOXは大変好感が持てますね。モーションコントロールダンパーもそうですが、ある意味「これでいいんだ!」というシンプルさと性能のバランスがすぐれているからです。某メーカーのようにそれだけの実力が整っていないのに背伸びして高機能に挑戦し、トラブルばかりより、よほど自分の立ち位置あるいは自転車のサスとはどうあるべきか、をわかっていますね。実際シンプルなだけにメンテ性もすぐれていますし、トラブルも少なく安心して使用できます。万一のトラブルに対しても部品一点一点スモールパーツ完備していますし、マニュアルダウンロードなどサポートもしっかりしています。

さらに一般論に拡大しますが、どうもメーカーの考える高性能高機能ハイスピードハイテク路線は実際のユーザー目線とちょっとずれているような気がしています。ユーザーはそうした製品に囲まれた現代だからこそ、トラブルフリー、長持ち、シンプルといったベクトルをより重視つつあるのに、それにこたえる製品がななか大規模メーカーから出てきません。新興国相手の製品とドメスティックが一緒というのはそもそも無理があると思います。


posted by 店主 at 00:00| PARTS | 更新情報をチェックする
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